「しあわせは子猫のかたち」によせて
この作品を一番最初に読んだのは大学3年生の秋頃だったと思う。
何となく「月に3冊くらいは本を読んだ方が良いかな」とふとした思い付きの基、一番最初に手にした本である。
自分の中では、生涯心に残ると言っても過言でないくらい好きな作品だ。
多くの行為において、その行為を行う者の意図とは別に「優しさ」だけでなく「残酷さ」も伴っていると思う。
要は表裏一体というわけだ。
この作品においては、ある種最も優しくもあり残酷でもある 「他者の存在の肯定」という形で表れている。
そしてその「他者の存在の肯定」がラストシーンで本当に綺麗に描写されていた。
「絶望したくなるようなことが(は)たくさんある」という言葉が物語中盤、ラストシーンでそれぞれ別のキャラクターから語られる。
後に続く言葉も勿論異なるのだが、ラストシーンにこの作品の魅力が集約されていると思う。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません