何もかも忘れてしまうとどうなるんだろうと思った話。

こんにちは。行未です。

ある日目が覚めると、「自分だけが何もかも忘れてしまっていた状態」になったときの事を考えたら、めちゃくちゃ怖くなった、というだけの話。

退職を控えていた私は引継ぎを行っていた。元々上司が持っていた仕事に関する引継ぎであり、そう難しくもない内容である。

だがその仕事にはマニュアルがなかったので、一応自分用のマニュアルを作成していた。

引継ぎにあたり、上司に、「一応簡単にマニュアルを作成してはいるのですが、今後の新入社員の事とかを考えて残しておいた方がよろしいですか?」と聞いた。

すると、上司は、

「いや、自分が一緒に教えるし、口で説明してやらせた方が覚えると思うから」と返答した。

「分かりました、マニュアルは破棄しておきます」と私は答えた。

理屈は分かる。確かに、実際に手を使って動かしたら記憶に残る。

受験勉強、日常での勉強、そして今までやってきた仕事、今までの人生経験を振り返ってみると、上司の言っていることは間違っていない。

手を動かして覚えることはとても大事である。

そして、ふと思った。

「上司がいなくなり、引き継いだ人が何かの出来事で全て忘れてしまったらどうなるんだろう」

と。

この事が頭から離れず、家に帰ってからも、

「覚えるってとてつもなく危うい行為なのではないか」

「忘れるって本当はとてつもなく恐ろしいことなのではないか」

と感じ、その日の夜はずっとその事を考えていた。

「もし、自分が全てを忘れてしまうと…」

考えただけで恐ろしかった。

アルバムがある。アルバムの中には家族と思わしき写真がある。日付が書いてある。

確かに記録はある。だが、その時私は何を感じ、何を考えていたのか。思い出す術がない。

思い出さなくても良いことかもしれない。だから覚えていないのかもしれない…。

これ以上考えると、ただでさえ少ない脳の容量を超えてしまって頭がパンクするので考えるのはやめよう。