高校時代、体育教師に怒られたときの話

多くの人には、「あの時、自分が逆の立場だったらどうしただろう」と思う瞬間があるのではないか。

親から怒られた時であれば、「もし今の自分が親の立場であったなら…」、

友達と喧嘩したときであれば、「もし友達の立場で考えてみたら…」等…それは人の数だけ存在するものだと思う。

また、そんな場面は一つとは限らず、人によっては多数そんな場面があるのではないか。

私自身を振り返ると、いつもなぜか出てくるのは高校生の体育の時、体育教師に怒られた時の情景である。

当時、サッカーか何かの授業中、私がボールを持って体育教師の元へ何かを伝えに言った時の事である。

多分些細な内容であったと思う。

その教師は他の生徒と話しており、話しの途中で腰を折るのも申し訳ないと思いつつも、私は「先生」と声をかけた。

 

しかし、返事はなかった。

 

意を決してもう一度、「先生」と声をかけると、「今話しているだろうが!!!!」と凄い剣幕で言われたのである―――

以上までが私が思い出す情景だ。

あの時、まず私自身はどうすべきであっただろうか。多くの人は、「他の生徒と話しているのだから話が終わるまで待つべきだろう」と言うかもしれない。恐らく今の私ならばそうするだろう。

では、今の私があの時の教師側の立場であればどう振る舞うだろうか。

自分が話している途中に割り込んで生徒が入ってきた。「周りを見ずに人が話している最中に話すのは良くない」と教えるために、やはり怒るだろうか。

それとも、「緊急の用事かもしれない」と考え、触りだけでも聞くべきだろうか。

 

あの時、教師は私が最初に発した「先生」が聞こえており、あえて無視したのだろうか。

ただ純粋に聞こえていなかっただけなのか。

 

教師といえど勿論人間だ。教師をやったことのない私ですら、教師の仕事量は凄まじいことくらいは推測できる。

何かあれば怒りもするし泣きもするし、けれど、けれど生徒に対しては真摯に対応する。という当時の自分の傲慢な考え。

誰かの為に、とかではなく、ただ純粋な怒り、感情として怒っている。そのような感情にさせてしまった自分が悪い、ということなのだろうか。

 

考えれば考えるほど、分からなくなる。今、私があの教師の立場であればどうしただろう。